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市政報告第10号(平成30年8月発行)

新たな時代に引き継いで行きたい姿勢

30年続いた平成という時代も、まもなく終わりを迎えようとしています。来年の春からは新しい元号に代わり、日本は新しい時代を迎えます。
この30年で日本は大きく変わりました。社会的にも大きな転換期を幾つも迎えましたが、その間に顕在化した事象の中で見逃せないのは、少子高齢化・核家族化・生涯未婚率の増加が進んだことです。
この事象は松戸市においても例外ではなく、平成の30年間で老年人口(65歳以上の人口)は全体の7%から25%まで増加し、1世帯あたりの人数は2.84人から2.24人まで減少しています。このような情勢の中、新しい時代を迎えるにあたり私達の生活をもう一度見つめ直す必要性を感じています。

ところで、私が市議会議員になって以来、ずっと大切にしていることがあります。それは、皆さん一人ひとりとの、さらには皆さんの核となる地元組織とのコミュニケーションです。
公共は公共として様々な課題に対して必要なアクションを起こしていくのは当たり前ですが、それだけでは十分ではありません。私達の松戸市をより良いまちにしていくためには、そこに住む皆さんの自発的な活動がどうしても必要です。
下の記事は六実地区において実際に行われているボランティア活動です。ご覧いただけると分かる通り、地元組織の活動でも、社会を変えることは可能です。
今回の市政報告では、「新たな時代に引き継いで行きたい姿勢」と題し、今この時代だからこそ必要な自助・共助・公助の連携をテーマに皆さんと一緒に考えて行きたいと思っております。

地域発信!六実中学校における自学支援

六実中学校では、急速に進行する核家族化、毎年のように訪れる猛暑などから、長期休暇期間における生徒の自学環境づくりが課題となっていました。六実中学校が、この事を地域団体である六実地区子育て井戸端会議(以下、井戸端)に相談した事により事態は一変します。
井戸端が中学校と学力向上推進委員会を立ち上げ、夏休みの自学会を中学校で開催、井戸端のメンバーを中心とした生徒の見守り活動をはじめました。市はこれに応える形でエアコンの設置された快適な自学空間の提供と、学校支援ボランティアの派遣を行いました。
結果として、自学会は夏休みの半数を超える日程で開催され、毎日平均30名以上の生徒が利用したそうです。これは、地域団体が協力してはじめた動きが、個人と公共機関の活性化を促した好事例であり、地域発信でも社会を変えることができるのだという誇らしい実例です。
井戸端では見守りボランティアを募集しているそうです。この活動に共感された方は是非協力をお願いいたします。

こんな時、どうします?

突然ですが、以下のようなケースを想像してみてください。皆さんならどうしますか?

あなたの自宅は、車通りが少ない閑静な住宅街にあります。子どもが道路でボール遊びをしていても不安を感じません。
家の前の道は小学校の通学路になっており、登下校の時間にはたくさんの児童が家の前を歩くのが微笑ましいです。
ところが、あなたの家の奥に新たな住宅街が造成され、それに伴い自宅前の道路が幹線道路と接続されてしまい、交通量が一気に増加してしまいました。
このままでは、いつ交通事故が起こっても不思議ではありません。自分も出かけるたびに不安だし、自宅の前で子供が轢かれてしまうなんて、絶対起こってほしくないです。

実はこのようなケースは、私も多く承ることのある相談です。相談される方は、現状に本当に困っており、そして本当に行く末を心配されています。私も真剣に相談に乗りますが、多くの場合、私の考えやお願いは、相談者の考えていらっしゃることと少し違います。
というのは、当事者の意見だけを聞いて対応すると、他の場所に良くない影響が出ることがあるからです。今回のケースで考えると、たとえば最悪の場合、以下のようなことが起こります。

大切なのは、自助・共助・公助の連携

全ての交通事故を防ぐことは、公共機関にはできません。安全や安心を「誰かが勝手に考えてくれること」だと考えてしまうと、結局は自分の身を危険にさらしたままの状態になってしまいます。
まず自分のことは自分で考える。一人でできないことは皆で協力して考える。その上で、全体のバランスを考えて迅速かつ適切に公共団体が施策を講じる。このように、それぞれの立場で役割を分担し、適切な対策を講じていくさまを自助・共助・公助の連携と言います。
今回のケースに関して言えば、私が正解だと考え、皆さんにお願いするだろうことは、以下の通りです。
【自助(一人ひとりへのお願い)】
公助の助けを待つのではなく、まず家庭や学校が率先して、危険である事を子どもに知らせる。
子ども達は安全に配慮し、自分の身は自分で守る。
【共助(地域へのお願い)】
周囲の大人が自治会等を中心に協力し、
安全のために自分たちができることを行う。
【公助(公共団体の義務)】
これと並行して公共機関は、全体のバランスを
考えた適切で迅速な施策を講じる。

良いまちって、どんなまち?

自助・共助・公助が連携する大切さは、とりわけ防犯や防災の分野で多く語られます。
たとえば東日本大震災を契機に六実六高台地区で順次運営がはじまった避難所運営会議も、先の市政報告において紹介した六実っ子安心安全見守り隊も、自助・共助・公助の連携が大前提となっています。

さて、良いまちとは、どんなまちでしょう?
私は、日常生活の中で、当たり前のように自助・共助・公助が連携しているまちだと考えます。

この報告の冒頭でも紹介した通り、少子高齢化・核家族化・生涯未婚率の増加が進んでいます。家族を媒介にして、以前は当然のようにあった地域のつながりも、今後は意識し続けていないと薄れてしまいかねません。
一方で、生産者人口が減っていけば松戸市の財源も減ります。それでも「良いまち」を維持していこうとすれば、おのずと個々人や地域団体が担う比重は高まります。
確かに、当事者意識を持ちやすい防犯・防災の分野において、自助・共助・公助の連携は比較的容易です。しかし皆さんは、良いまちを作ることにだって、当事者意識を持てるはずです。

そんな風に考えていただける方を少しでも増やせるよう、私が率先して自助・共助・公助の連携によるよいまちづくりを推進して参ります。今後ともご理解ご協力を、よろしくお願い申し上げます。

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