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特別編(平成25年1月発行)

これからの松戸市はどうあるべきかを考えるため、渡辺ひろみち議員にお話を伺いました。

北千葉道路や外環道などの道路、JR常磐線の東京駅乗り入れなど、松戸市周辺の交通インフラが整備されつつあり、それにあわせ松戸市も刻々と変化しつつあります。このような中、市民の皆様が安心して暮らせる生活を創造していくために何が必要なのか。市議会議員として考えるべき事はたくさんあります。ただ、市議会議員が単独で実現できる事には限りがあり、県政・国政との連携が重要になってきます。そこで今回は、昨年の衆議院議員選挙で地元千葉6区より見事当選を果たした渡辺ひろみち議員を訪ね、お話を伺ってきました。

石井
本日はお忙しい最中、お時間を作って頂きありがとうございます。本日は 色々と実のあるお話を伺えればと考えております。

渡辺
石井さんは市議会議員一期目ですね。

石井
はい。私は市議会議員「一年生」として、市民目線を忘れる事なく「市民自身の手で出来る事は、その活動をバックアップ」するとともに、「市民の力だけで達成できないものは、市とともに解決していく」というスタンスで頑張ってきました。でも、どうしても松戸市単体では実現できない大きな問題に直面する事があります。こういう事については、県政や国政との連携が重要と考え、本日、渡辺議員に胸を借りようと思い至ったわけです。

 

渡辺
地域づくりのためのアクションには「点と線と面」があるのだと思います。つまり、松戸市や松戸市民の皆さんが行っている最初の試みや動きが「点」であるとすれば、それを下支えする道路や線路の整備などをはじめとした政策が「線」、そして、その結果現れる経済効果・人口増加など地域の発展が「面」なのだろうなと。これをいかに有機的に連携させていくかが成否を分ける重要なポイントです。

公共事業の全てが悪ではない。「もったいない松戸」からの脱却

石井
以前、北千葉道路近隣の7市が集まり京都大学の藤井教授に話を伺った事があるのですが、この北千葉道路の整備状況を見て「非常にもったいない」とおっしゃっていました。
詳しく伺うと、成田に到着した貨物は、北千葉道路が十分に整備されていないがために、よりトラフィック状況の良い埼玉方面に運ばれてしまっていると。もし成田が外環道と接続し、トラフィックの状況が改善すれば、北総線沿線に貨物の集積先が作られ、地域に大きな経済効果が望まれるとの事でした。では、外環道との接続が完成していない残り10キロほどの部位がどこかと言えば、これは松戸市・市川市・鎌ヶ谷市の市境なのですね。

渡辺
そう、市境なのですよね。なるほど、だんだん石井議員のおっしゃりたい事がわかってきましたよ(笑)

石井
さすが、地元の衆議院議員さん(笑)。千葉北道路と外環道が接続すれば、それぞれの市だけでなく、この地域全体に利便性がもたらされるわけですから、どうしても繋げていきたいと考えているのです。
この事について、市役所の関係部署にも話を聞いてみたのですが、やはり市境は、市が単独で事業主体となった場合、投資に対する経済効果が生まれづらく、どうしても二の足を踏んでしまうらしいのです。こういう状況であるため、この地域については現在も事業主体が決まらず、この結果、大学の先生がおっしゃったような「もったいない状況」が生まれてしまっていると。
こういう点については、是非とも県政や国政に音頭を取って欲しいところなのです。

渡辺
北千葉道路は既に鎌ヶ谷まで完成していますが、その後のルートはまだ未調整で、時代の変遷とともに青写真も刻々と変わっています。市川・松戸・鎌ヶ谷などの近隣市町村、それに千葉県と国で連絡協議会を設立し協議を行っていますが、それを早々に決めていく、進めていく事が肝要です。
また、外環道は平成27年度の全面開通を目途に京葉道路まで接続する計画ですので、これが完成すれば経済効果だけでなく、市民の利便性も確保される事でしょう。
松戸市に目を向ければ、三矢小台近辺に松戸ICが作られる予定です。これと北千葉道路の接続がいかに利便性をもってなされるかが重要となります。

石井
藤井教授が仰っていたのですが、日本では長く続く不況の中で、いつしか「公共投資=悪」というようなイメージが強くなっていますが、海外に目を向ければどこの国でも必要な投資は行っていると。一律で公共事業を縮小してしまっているのは日本ぐらいなものだという事らしいのです。無駄を省くのは当然ですが、利便性や経済効果を考えて、投資すべきものはやり遂げる事が必要なのではないでしょうか。

渡辺
例えば、外環道路が整備された場合、湾岸道路から常磐道までが15分、東北道まで30分で接続されるようになります。そういう意味では、完成していないがために「高速道路の機能を果たしていない」道路はたくさんあります。ネットワークは結んでこそ本当の効果が見込まれるわけです。
未完成な幹線がそのままにされる事こそが、残念な事に結果的として「無駄」を生み出してしまっているとも言えますよね。

まずは松戸駅前から。「新しい松戸市」を目指して

石井
鉄道に目を向けると、やはりJR常磐線です。平成26年度にJR常磐線の東京駅への乗り入れがはじまるとお聞きしています。そうなれば利便性はもちろん、松戸市の人口増加にも繋がるのではないかと思います。

渡辺
JR常磐線については、現在上野駅から東京駅を直接接続するように工事を行っており、平成26年度には乗り入れが開始される予定です。

石井
この事も1つの起爆剤となり、松戸駅周辺では今、まちづくりに向けた協議がはじまったところです。私も9月の議会で一般質問させていただきました。
この質問について、「六実出身の議員がどうして?」とよく言われるのですが、まずは松戸駅周辺のブランドが高まり松戸市の財政が向上していかないと、六実の再開発は夢のまた夢、つまりまずは松戸駅が元気になってもらわないといけないと思っているのです。
この件については松戸市・付近住民が一体となり、色々な試みを考えているようで、私も応援していきたいと考えています。でも、地域の人々が集まっただけでは、どうしても資金面の問題などから、建物や道路など「ハードの開発」には着手できないのが実情です。
ただ、この協議を進める中で、国の社会資本整備総合交付金を利用できる方向もあるという事が分かりました。この場合、松戸市も本腰を挙げて抜本的な松戸駅周辺のまちづくりビジョンを描けるようになります。

渡辺
松戸駅の東口・西口ですよね。実情を言えば松戸市が民間企業に要望を出しても、なかなか企業も動きづらいと思いますし、これはやはり国が協力する必要があるのだと思います。しかし、その際に重要となってくるのは、松戸市がどういう特色を出していくかという事です。
例えば松戸駅に目を向けますと、確かに北千住まで10分、上野まで20分、都内にアクセスするためには、とても利便性の高い駅だと思います。
でもその反面、それが地域商業の活性化を妨げているという見方もあるのではないかと思います。そこまで近いのだから、買い物は都内でしてしまおうと。都内に泊まってしまおうと。そう考える方も多いのではないかと思います。
ですから、松戸が活性化に向けて動いていくのであれば、ただホテルを誘致しよう、商業施設を誘致しようと、単独で考えるのではなく、松戸駅に人が来る必然性ができていかないといけないと思うのです。

石井
そうなんです。あれが欲しいこれが欲しいというだけではなく、「住みたいと思ってもらえるために、どのようなまちにしていきたいか」という、差別化のできるビジョンを作っていかないといけないと思うのです。

渡辺
教育機関に目を向ければ、松戸市は聖徳・千葉大園芸学部・日大歯学部・流通経済大を抱えており、これだけ若者が集まる素地ができているのに、それをうまくネットワークできていないのは、非常にもったいない事です。
例えば、東松戸駅は羽田空港からも成田空港からも1時間圏内にあります。さらに、東京駅へも1時間以内で行ける。こう考えると、この東松戸という駅は途方も無い可能性を秘めているわけです。
これは一例ですが、例えばここに大学の国際学部を誘致し、外国からの留学生を呼び寄せ、日本の最先端技術や伝統文化を学ぶため「国際交流センター」のような機能を果たしていけば良いのではないかと思います。
松戸市には伝統的な文化もありますし、近隣には松飛台工業団地も抱えています。伝統も最先端技術も提供できます。これからも国際化は益々発展していくでしょうし、その中で松戸市がイニシアチブを取っていけるようになれば、それは立派な松戸市の特色になるのではないでしょうか?

石井
なるほど、既に多数存在する大学を、国際交流というキーワードでネットワーク化するわけですね。経済だけでなく、教育にも良い効果をもたらしそうです。

渡辺
ともかく、松戸市の発展のために常に意識していかないといけないのは、整備されつつある交通インフラ、つまり「線」が整備され、完成しつつある関東のこれまでとは違った「面」の姿を冷静に見定め、その中で松戸市をどんな特色を持った「点」としていくか、という事です。
この地域は私の地元でもありますし、発展のためには国政からも最大限のサポートをしていきたいと思っています。ですから、石井議員は松戸市の立場から、どんどん良いプランを考えていただき、提言していただきたいですね。

石井
地域を代表する国会議員の渡辺議員にそういっていただけると大変ありがたいです。今後も頻繁に議員会館にお伺いしますね。

渡辺 いつでもいらしてください。お待ちしていますよ。

対談を終えて

年始早々、まだ選挙の熱も冷めやらぬ時期に訪問させていただいたにもかかわらず、渡辺議員は私の質問に対し、懇切丁寧に回答してくれました。
また渡辺議員は、国会議員として日本を「面」として大きく捉えた視点と、地元の小さな交差点や踏切といった細かな「点」の視点もあわせもたれており、改めて地元出身の衆議院議員とのつながりの大切さを実感するとともに、この地域の代表が渡辺議員で良かったと感じました。
道路・鉄道のインフラが整備されつつある現在、松戸市の置かれた状況も刻々と変貌を遂げております。これをチャンスとして捉え、松戸市がより発展するよう邁進したいという思いを新たに、夕暮れの国会議事堂を後にしました。
近隣他市は私たち松戸市民にとってのライバルではなく、連携する事により強力なパートナーとなります。この地域全体を住みよいものとするため、市民の皆様がより安心で充実した生活を送れるようになるため、渡辺議員をはじめとした国政・県政、さらには近隣他市との連携により、松戸市をさらに発展させていきたいと思います。
私も市民目線を忘れずに日々活動して参ります。今後とも、皆様のご意見・ご要望をお待ち申し上げております。

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