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新病院の基本計画について

9月議会では、市長が望む新病院建設予定地千駄堀案の基本計画採決が予定されている模様です。
このブログでも度々申し上げてきたことですが、私は、現在推進されている案に賛成できません。理由は色々とありますが、まずビジョンが見えません。幾つか例を挙げてみたいと思います。

予算の中に医療機器費用・取り付け道路費が組み込まれていないこと

千駄堀案での建設予定地は、街道から少し奥まった窪地にあり、救急搬送の事を考えると、どうしても立体化を含めた道路の大幅な改修が必要となります。また、病院を移転するとなると、元々精密機器である医療機器の移動は現実的ではなく、新たに機器を購入する必要があります。この2点で、少なく見積もっても億単位の資金が必要です。
ところが、この点が計画書の予算には一切計上されていませんでした。これを計上しないまま、執行部は「費用が安く抑えられている」とアピールしています。この件については、後に指摘を受け、計上されておりますが、私には、安く抑えられているのではなく、安く見せているようにしか見えません。

今後の在り方が後回しになっていること

千駄堀に限らず、病院を移転するという事になれば、上本郷にある現病院を今後どうするのかという事は、付近にお住まいの市民の皆様だけでなく、建替え計画上最も重要な論点の1つであると考えます。
また、千駄堀に建設するとなれば、それによって様々なインフラが影響を受けます。道路だけでなく、その他の交通機関をどう整備するか、病院までの導線上に影響を受ける場所は無いのか、あるとすれば、そこをどう解決していくのか。議論すべき点は多岐に渡ります。
ところが、そのあり等は後回しにされ、病院の建設地が優先的に議論されています。むしろ、「千駄堀に病院を建設したい」という説明のみが繰り返されている印象です。

千駄堀を推す理由と計画に乖離があること

以前、市長は千駄堀を推進する理由として、「30年後の建替え時に敷地問題で現場を混乱させたくない。そのため、予め建替えのできる敷地を用意できる千駄堀で検討したい」という主旨の説明をされています。
ところが、執行部からの説明を会派で受けた時には、「30年後には、同じ敷地の駐車場スペースに建てる事」となっていました。これはおかしいです。なぜなら、30年後の建設にあたって工事中も病院は開業している訳ですから、建替え中の駐車場はどこに設けるのか?という問題が出てくるからです。
この事について質問をしたところ、執行部からの回答は「30年後のことは解りません」というものでした。これには、みな唖然としていました。
つまり、説明の上では最重要とされていた「30年後の建替え」は、実務上全く重視されていない(というより、無視されている)と言う事です。計画が要件を満たしていない、という事です。

以上、ご覧いただければおわかりになると思いますが、病院の移転建替え問題では、「千駄堀への建替えが前提となり、それを説明する理由づくりをしている」という印象しか抱く事ができない状態です。これでは採決すること事態おかしいと思います。どこに建てるかも大切ですが、それが完成した後に市民生活がどう変わるのかをイメージした議論が必要です。

市政報告を配りながら、この事について市民の皆様の意見をお聴きし、その意見を以て9月議会に臨みたいと考えています。

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